【シリーズ・検証】牛乳の違いでクレームブリュレの美味しさは変わるのか??

検証!クレームブリュレに推したい牛乳は!?

クレームブリュレは比較しやすいように、生クリームを使わずにすべて牛乳に置き換えて製造。材料はそれぞれ同量、同じレシピで作っています。より違いが分かりやすいようキャラメリゼせず、アパレイユのみで食べ比べました。それぞれのブリュレがどの牛乳で作られているか分からないように、A・B・Cと表記しています。

▲ 色や表面にも違いが。黒く見えるのはバニラビーンズ

早速、3種の牛乳で作り比べたクレームブリュレの実食です!!

近藤編集長(以下、近):こ、これは面白い!牛乳の違いで味や舌触りの印象が変わりますね。ブリュレの楽しみ方に新たな視点が生まれそうです!

亀山(以下、亀):Aは飲み物のようにスルッと入ってきちゃう。飲むブリュレ(笑)

一同:確かに!笑

高:Aは後味にミルク感が出ていて、Bは香りや風味が一番強い印象ですね。Cはコクとうま味があるけれど、軽い口当たり…。

関根(以下、関):これまでクレームブリュレを牛乳で作り比べることがなかったので、とても新鮮です。表面のテリやマットさ、食感に個性が出てくるのは面白いですね。最初は牛乳だけで違いが分かるかな?と思っていたのですが驚きました。

ブリュレの第一印象と予想の一覧
亀山
  • 第一印象

A:さっぱり、滑らか。濃い感じがなく、食べやすい。

B:黄色味が強い。1口目は卵の味が強いが、後から牛乳の香りがやってくる。

C:生クリームよりも牛乳の味がふわっと(強く)やってくる。一番濃厚で、ブリュレ感が強い。

  • 予想

A:小岩井

B:養老牛

C:ノースプレイン

高砂
  • 第一印象

A:表面がサラッとしていて凹凸が少ない。めちゃくちゃ滑らかで、後味がミルク感を感じながらもスッキリ。

B:香り・風味がとても強く、旨みや味の奥行きがある。Aよりも舌触りがあり、香りが一番濃い。

C:うまみをとても感じるが、割と軽い口当たり。そこまで香りは強くなく、Aよりコクがある。

  • 予想

A:小岩井

B:養老牛

C:ノースプレイン

関根
  • 第一印象

A:滑らかで、断面がつるんとしていてテリがある。口に入れたら、スルッと、ごくんと飲める。断面は茶碗蒸しに似ている。

B:表面が少しマット。Aに比べると水分量が少なく、膜が張っている。Aは卵感を感じたが、Bは薄く中和された感じ(ミルク感はBの方が強い)。Aの方が滑らかで、Bはすくった時の凹凸、乳脂肪のまとわりつき、鼻から抜ける風味を感じる。

C:マット感と凸凹感があり、Bと同じく膜が張っている。Bの方が香りが強く感じる。

近藤
  • 第一印象

A:とろっとろ、スルッと入る。ここまで緩めなアパレイユはなかなかない(ブリュレスコアは3)。あっさりしていて、牛乳の風味はあるがそこまで強くない。舌の上に乗せた時の感じが飲める硬さ。

B:通常よりはアパレイユが硬くなく、ブリュレスコアで4程度。風味は濃厚、個性を感じる。

C:個人的には牛乳感が一番強く、ミルクブリュレという感じ。Cと比較すると、Bの方が個性が強く感じられる。

3種を食べ比べたところで、一斉に最も気に入ったクレームブリュレをチョイスしてもらいました。

▲ 関根さんと近藤編集長はB、ミルクラバーのお二人はCを選択

関:相対的に見て、優しい甘みを感じたBが好みでした。Cは脂肪が少しまとわりつく感じがあり、口の中でアパレイユを溶かすまでが気になった印象です。今回のようにアパレイユに生クリームを入れない場合は“プリン”として販売されるのが一般的ですが、ブリュレとして捉えた時の「食べやすさ」を重視しました。

高:「クレームブリュレというドラマ」があった時に、“演者”としてのミルクの立ち位置が良いのがCかなと。バランスがバッチリだと思います。

亀:ミルク感がしっかり表れていたのと、バニラ感も感じられたCをミルクラバーとして推したいですね。Bは個性的で、Aも飲めるくらいに美味しかったのですが、トータルバランスが決め手になりました。

近:個人的にキャラメルを割ってアパレイユと合わせて食べるのが好きですが、実際にキャラメリゼして一緒に食べることを想定すると、Bが一番相乗効果を発揮するのではないかというイメージが湧きました。全ておいしかったんですが…!

食味の感想と使用牛乳の予想、各自の推しブリュレが揃ったところで、答えをオープン!

Aは小岩井農場無脂肪牛乳、Bはおこっぺ有機牛乳、Cは養老牛牛乳を使用。高砂さんと亀山さん、惜しい!!でも、さすがのミルクラバー。特徴をしっかりと捉えていました。

最後に、ミルクラバーのお二人に牛乳の魅力と楽しみ方についても語ってもらいました。

高:良いことがあった日には自分のお気に入りの牛乳を飲んだり、旅行や仕事で全国各地のご当地牛乳を飲み歩きしています。パッケージラベルの面白さも魅力の一つ。皆さんに「推し牛乳」を探してみてもらいたいですね。私は定期的にミルクのイベントを開催していますので、ぜひ遊びに来てください!

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亀:お風呂上がりに飲む牛乳は最高!私は九州出身なので、やっぱり地元の「みどり牛乳」(大分県)が好きです。これまで自作で38種類のパッケージ案を作りましたが、それくらい牛乳が大好き(笑)もっと多くの人に牛乳を飲んでもらえるように、いつか本当に牛乳パックのデザインをしたいと思っています。

ということで検証の結果は、「牛乳の違いがアパレイユの滑らかさや舌触り、香りや味わい=美味しさにも表れる」にて決着。

「ブリュレ作りに推したい牛乳」は、おこっぺ有機牛乳と養老牛牛乳の引き分けに。ブリュレマニアとしては、よりミルク感を重視したい場合は養老牛牛乳を。クレームブリュレの醍醐味でもあるキャラメルとの相性を重視したい場合は、おこっぺ有機牛乳で作り比べることをお勧めします(クレームブリュレは飲み物だ!という方は、小岩井農場無脂肪牛乳をお試しください 笑)。

ABOUT US

長谷川 みちる
Editor’s office Bluebird 代表/酪農ライター・編集者・プランナー。紙・webメディアの立ち上げから企画・運営・取材・編集、イベントや映像制作の企画・運営など幅広く手掛ける。得意とするフィールドは農業・漁業(特に酪農)などの一次産業、まちづくりなど。ブリュレマニアでのポジションは、おいしいものが生まれる場所まで足を運ぶ「産地追求派マニア」。