組み合わせは無限大!?コーヒーでブリュレタイムをもっと楽しもう 〜ブリュレとコーヒーのペアリング〜

コーヒーでブリュレタイムをもっと楽しもう

真のブリュレラバーにお届けする、クレームブリュレをもっと美味しく楽しむためのコーヒーの基本。前編は自宅でおいしいコーヒーを安定的に淹れるポイントをご紹介しました。後編となる今回は、コーヒー豆の選び方について深掘り。クレームブリュレのペアリングにも挑戦します!

コーヒーを選ぶ時に、覚えておきたいポイント

長谷川

前編に続き、「THE RELAY」のバリスタ 深澤未来さんにご登場いただきます。今回はもう一歩踏み込んで、自分好みのコーヒーの見つけ方を教えてもらいたいと思います。

深澤さん

よろしくお願いします。

長谷川

淹れ方に続き、実は豆もなんとなく選んでいるんですが…。

深澤さん

長谷川さんは苦味があるコーヒーと酸味があるコーヒーであれば、どちらの方がお好みですか?

長谷川

そうですねぇ…どちらかというと苦めが好きかなぁ…?

深澤さん

自分の好みを把握するのは、豆選びの最初のステップです。まずは、ここを起点に選び始めてみましょう。

長谷川

苦みが好きか、酸味が好きかが基準でいいんですか?

深澤さん

コーヒーは品種や生産地によっても個性が異なりますし、そこに焙煎方法などさまざまな要素が加わって風味が決まるので、全てを覚えて選ぼうとすると、とても大変なんです。

長谷川

ちなみにコーヒーの品種って、どのくらいあるんですか?メジャースプーンかな?

コーヒーは品種や生産地によっても個性が異なる
深澤さん

普風味と味わいに優れている「アラビカ種」一つをとっても、細かく200以上の品種に分かれています。

長谷川

そんなに!?

深澤さん

産地も60カ国以上あるんですよ。

長谷川

果てしないですね(汗)

深澤さん

ですので、選ぶためのいくつかのポイント(基準)や傾向を抑えておくのが良いと思います。そこから、ご自身の好みを深掘りして行くのがオススメです。

長谷川

具体的には、どんなポイントを抑えておくと良いですか?

まずは焙煎度合いですね。「○△ロースト」や「●▲煎り」と書いてあるのを見たことがありますか?同じ豆で比較してみると、一般的に焙煎が浅いほど酸味が強く、深いほど苦味が強くなる傾向があります。つを覚えておいてくださいね。

焙煎度合い比較表
長谷川

ふむふむ。

深澤さん

もう一つは、精製処理の方法です。

長谷川

あまり聞き慣れない言葉ですね。

深澤さん

「ナチュラル」や「ウォッシュド」という表記を見かけたことがあるでしょうか。コーヒーは樹木に実る「コーヒーチェリー」の種子を取り出して焙煎しているのですが、この種子を取り出す工程のことを精製処理と言います。

長谷川

精製処理で風味が変わるんですか?

深澤さん

そうなんです。ざっくり説明すると、例えば「ナチュラル」はコーヒーチェリーをそのまま天日干しして種子を取り出すので、豆自体の特徴がそのまま表れやすいと言われています。「ウォッシュド」の場合は、果肉を取り除いて水洗いしてから乾燥させるので、もともとの豆の特徴よりあっさり、さっぱりする傾向があります。

精製方法の特徴
長谷川

ここに豆それぞれの特徴が加わるというわけですね。お店独自のブレンドもあったりすると、組み合わせが無限大…。

深澤さん

無限大の中にも選び方のヒントはありますよ!例えばRELAYでは、実際に豆の香りを嗅ぎ比べてご自身の好みを見つけていただくこともあります。そのほかにも、普段飲んでいるコーヒーの特徴に近いものを選んでみるとか、あえて違うテイストと比較してみるのも手ですね!

ペアリングのコツは「似たもの同士」

長谷川

ところで、食べ物とコーヒーを組み合わせる際には、どうやって選ぶのが良いですか?

深澤さん

基本的な考え方としては、「似たもの同士を合わせる」のがポイントですね。

長谷川

似たもの同士??

深澤さん

カフェのドリンクメニューや、豆を販売しているお店のPOPなどに味や香りの特徴が書かれてあるのを読んだことはありますか?

長谷川

はい。苦味とかコクなどの説明が書かれていますよね。

深澤さん

お店によっても表現はさまざまですが、「チョコレートのような」とか「ベリーのような」とか「ナッツを思わせる」といった紹介をしています。

長谷川

確かに、そういう表現をしているところもあったかも…。

深澤さん

そのほかにも「アップルパイのような」とか「オレンジピールの風味」のように、より具体的に表現している場合もありますよ。

長谷川

むむ?そうすると、「アップルパイのような風味のコーヒーはアップルパイに合う」ということですか?

深澤さん

そうなんです。そこから似たような傾向の食べ物などに広げていくと、相性が見えてくると思いませんか?

長谷川

なるほど〜!確かにイメージしやすいですね。今回はクレームブリュレとのペアリングを試してみたいと思っていますが、ピックアップしていただいた豆の特徴について教えていただけますか?

深澤さん

今回は北海道・音威子府(おといねっぷ)村にある「Let’s la Coffee」と、山口県にある「TAKADA COFFEE」から浅煎り・中深煎り・深煎りの3種類をチョイスしてみました。

コーヒーリスト
深煎りと中煎りと浅煎り

▲ 左から深煎り・中煎り・浅煎り

長谷川

味や香り、色も、こうやって見るとコーヒーって本当に個性が違うものなんですね。

深澤さん

ロースターさんによってもコーヒーのキャラクターが違って面白いですよ。ぜひ色々な種類を飲み比べてみてください。

ABOUT US

長谷川 みちる
Editor’s office Bluebird 代表/酪農ライター・編集者・プランナー。紙・webメディアの立ち上げから企画・運営・取材・編集、イベントや映像制作の企画・運営など幅広く手掛ける。得意とするフィールドは農業・漁業(特に酪農)などの一次産業、まちづくりなど。ブリュレマニアでのポジションは、おいしいものが生まれる場所まで足を運ぶ「産地追求派マニア」。