クレームブリュレを最高に楽しむためには、飲み物にも気をつかいたいもの。手軽に買えるコンビニコーヒーやインスタントも良いけれど、時間をかけて自分で淹れたコーヒーと合わせるとおいしさもひとしおです。今回の企画は前後編の2本立て。前編はおうち時間に嬉しい「おいしいコーヒーを淹れる基本」をご紹介。後編は豆の種類や焙煎について掘り下げ、ブリュレにぴったりのコーヒーペアリングを調査します!
いつでも安定的においしいコーヒーを淹れる秘訣
よろしくお願いします。
私も自宅でコーヒーを淹れますが、同じ豆を使っても、渋かったり、深みやコクがない“苦い汁”になったり…。安定して美味しいコーヒーを淹れることができないんですよね(苦笑)
長谷川さんは、いつもどんなふうにコーヒーを淹れていますか?
ハンドドリップです。
いいですね!ハンドドリップはコーヒーにこだわりたい方にはお勧めの方法なので、ぜひマスターしたい淹れ方です。その他にも淹れ方には色々な種類があるのですが、ご存知ですか?例えば、フレンチプレス(抽出器具とポットが一体化したタイプ)やエアロプレス(空気の圧力を使って抽出する)など、粉とお湯の量を守れば簡単に淹れられるタイプもあるんですよ。初心者の方はここから始めてみるのも良いのですが、フレンチプレスの場合は粉が混じりやすいため、ザラっとした舌触りを感じるかもしれません。
今回は普段皆さんが飲み慣れていて、ブリュレに合わせた「自分好みの味」に調整しやすいハンドドリップの淹れ方にチャレンジしてみましょう。ハンドドリップの場合は、どんな道具が必要かご存知ですか?
ペーパーフィルター、ドリッパー、サーバー、お湯を沸かすポット(ケトル)。それから、豆の量を計るメジャースプーンかな?
普段はメジャースプーンを使っているんですね。スケール(計り)と温度計は使っていますか?
温度計は一応ポットに備え付きのものが。スケールは豆を計るために使うんですか?
豆も計るんですが、お湯をどのくらい注いだか計るためにも使います。
???
詳しくは、後ほど実際に入れながら説明していきますね。では、コーヒーを淹れる上で大切なポイントって何だと思いますか?
豆の量やお湯を注ぐスピード…とかですか?
それも大切ですね。ざっくりまとめると、豆の個性や状態に合わせたお湯の「温度・量・時間」のコントロールです。この3つを覚えておいてくださいね。
わかりました!
これだけは抑えておきたい!道具・淹れ方の基本
まずは道具について確認しましょう。温度計、スケール、そしてケトル。それから、ドリッパーとペーパーフィルターです。
▲基本の道具。左から温度計、スケール、ケトル
ドリッパーにも色々な種類があるんですね。
陶器やガラス、銅、プラスチック製など材質は多彩ですが、形状は「円すい型」「台形型」のものだとスーパーなどでも比較的手に入りやすいです。ドリッパー底面の穴の数も違いますよ。
▲左からカリタ社、ハリオ社のドリッパーとサーバー
本当だ。なんとなく円すい型・プラスチック一択で選んでいましたけど、よく見ると違いがあるんですね。
▲カリタ社のウェーブドリッパーは3つ穴。ハリオ社は円錐型ドリッパーで1つ穴の溝付き。
穴の数で抽出時間が変化したり、材質によって保温性が変わったり。追求していくと道具だけでも沼にハマっちゃいます(笑)
今回はカリタ社の【陶器・ウェーブ型】、ハリオ社の【ガラス・円錐型】を選んでみました。カリタ社のウェーブドリッパーは味にムラができにくいので初心者の方にオススメです。今回用意したハリオ社のV60は、レシピの調整がしやすいため中〜上級者にオススメです。ペーパーフィルターは、ドリッパーに合ったものを用意してください。
▲左からウェーブ型用フィルター、円錐型用フィルター
まずは、お湯を沸かしている間に豆を計りましょう。お店でペーパーフィルター用に挽いてもらった粉を使うのがラクですが、本当はぜひ自分で豆を挽いていただきたいんです。
自分で挽くのってハードルが高そうですが…。
意外と簡単なんですよ!グラインダー(電動ミル)の種類によっては多少値段が張りますが、電動だと手間も時間もかからずあっという間に好みの粒度で挽くことができます。お店で挽いてもらう場合は、短い期間で飲みきれる量を購入するといいですね。豆は挽いた瞬間から酸化が始まるので、挽き立てが一番美味しいんです。【ポイント①】
▲カリタ社のグラインダーは、オシャレで性能もバッチリ!
挽き方にも色々種類があるんですか?
細挽き・中挽き・粗挽きがあります。ハンドドリップなら中挽きが適しています。お店で挽いてもらう場合は「ペーパーフィルター用」と言えば、この粒度になっているはず。粒度が細かければ抽出後の味わいが濃く苦め、粗ければ薄く軽めになるので、お好みで粒度を調整してみるのも面白いかもしれません。
粉の量は、カップ1杯分を淹れたいならメジャースプーン1杯と考えて良いですか?
豆は焙煎の度合いによって含まれる水分量が異なるので「スプーンすり切り1杯」で計ってしまうと、浅煎りと深煎りでは量が変わってきます。それに、豆の種類によっても重さが異なります。ですから、スケール(はかり)を使ってグラムで計ることをお勧めします。ちなみに、コーヒー豆の15〜16倍の総湯量を目安に抽出するのが最近の傾向ですね。【ポイント②】
ふむふむ。浅煎りと比べると深煎りの方が加熱時間が長いので、その分水分量が少ないという理屈ですね。
次にサーバーにドリッパー、ペーパーフィルターをセットします。粉を入れる前に、お湯を注いでペーパーや道具を温めておきましょう。紙臭さが取れて、ドリッパーにフィルターがしっかり張り付くのでお湯の浸透が一定になります。【ポイント③】
▲抽出前に器具類をお湯で温めておく
これは初めて知りました!いつもすぐに粉を入れちゃってた!
注いだお湯を捨てたらフィルターに粉を入れて少し揺らし、粉の表面を平らにしましょう。お湯の流れが安定します。
ではでは、さっそく抽出を…。
クレームブリュレを食べるときは、万全のタイミングで臨みたい。さらに言えば、おとものドリンクがブリュレを損なうものであってはならない…!!そんな、ブリュレに対する並々ならぬ熱い思いを持った“真のブリュレラバー”の皆さま、お待たせしました。クレームブリュレQOL爆上がり間違いなし。ブリュレのペアリングの代表格、「コーヒー」に迫ってみたいと思います。
今回は北海道・札幌市にある全国各地のロースターと札幌市を繋ぐコーヒーのセレクトショップ「THE RELAY」にお邪魔し、バリスタの深澤未来さんにしっかりたっぷりレクチャーしてもらいます。深澤さん、よろしくお願いします!