今さら聞けない、コーヒーの基本の「き」〜クレームブリュレのペアドリンク〜

コーヒーの淹れ方
深澤さん

ちょっと待ってください!その前に、お湯の温度をチェックしましょう。

長谷川

沸騰したお湯だとダメなんですか??

豆によってお湯の温度を調整

▲豆によってお湯の温度を調整

深澤さん

温度の違いでも、絶妙に味が変わるんですよ。90℃前後を目安に、浅煎りの場合は90℃より高め、深煎りの場合は90℃より低めで調整すると焙煎度に合った味わいの特徴が出やすくなります。【ポイント④】

長谷川

絶妙なお湯加減が大切なんですね。

深澤さん

お湯を粉全体に注いだら、約30秒蒸らしてガスを抜き、お湯がコーヒーの粉に馴染みやすくします。粉全体にお湯が浸透していないと、しっかり抽出できない可能性があるので焦らずに待ちましょう。【ポイント⑤】

長谷川

ガマンガマン…

深澤さん

30秒経ったら、お湯の太さを一定にして注いでいきます。このとき、ケトルの重さでなるべく手がブレないようにコーヒーの粉の近くから注いであげるのが良いと思います。最初はドリッパーを抽出量に合わせたサイズに揃えるといいですね。抽出量とドリッパーのサイズが合っているとドリッパーとドリッパー内の粉との高低差がなくなるので、お湯を注ぎやすくなりますよ。ここでは「粉の使用量に合わせたドリッパーを使う」というのが大切で、「大は小を兼ねる」というのはコーヒーを淹れる場合はあまり当てはまらないですね(笑)

お湯の太さを一定にしながら注ぐ
長谷川

お湯の太さを一定にしながら注ぐことも、結構意識した方がよいですか?

深澤さん

慣れるまでは難しいと思いますので、太さを意識というより「○○秒の間に○○gのお湯を入れる」のような意識で淹れると分かりやすいですよ。

長谷川

もしかすると、最初に言っていた「お湯をどのくらい注いだか計る」ってこのことですか?

重さと時間を一緒に計測できるコーヒースケール

▲重さと時間を一緒に計測できる「コーヒースケール」を使うのも手

深澤さん

そうなんです。サーバーの下にスケールを置いて、注いだお湯の量を計るんです。タイマー(スマートフォンでOK)を用意して時間も計測しておくと、美味しく淹れた時の指針になります。

また、粉がお湯を吸収するので実際に注いだお湯の量と、抽出した量は変わります。こうやって可視化することで、味の調整もしやすくなるんです。【ポイント⑥】

長谷川

なるほど!

深澤さん

抽出した後は、サーバーを揺らしたり、スプーンで軽く混ぜるなどして、コーヒーを均一化させてからカップに注ぎましょう。これが基本の淹れ方です。

ブリュレとコーヒーで心が豊かになる時間を

深澤さん

では、ポイントをおさらいしてみましょうか。

point
長谷川

テクニックというよりも、まずは基本のポイントを面倒臭がらずに実行することが大事なんですね。私、すべての行程を「だいたい」「ざっくり」でこなしていました。大雑把の極みでした(苦笑)

深澤さん

バリスタにもそれぞれ淹れ方の「理論」がありますし、ロースターさんによっても抽出レシピが豆ごとに違います。ですから「絶対正しい淹れ方」を定義するのは難しいと思います。ですが、今回お伝えしたポイントをなぞっていくだけでも、おいしいコーヒーに近づくはずです。

バリスタにもそれぞれ淹れ方がある
長谷川

淹れ方の他に、気をつけるポイントはありますか?

深澤さん

豆の保存期限や方法にも気を配っていただきたいですね。豆を購入して自宅で挽く場合は、お店やロースターさんが推奨する保存期限と方法を確認してください。

長谷川

挽いた後は、すぐに飲みきった方が良いんでしたよね!

深澤さん

そうですね。“なるべく早く”が基本です。冷蔵や冷凍で保存すると鮮度が落ちにくくなりますが、お店によって保存方法の考え方も変わるので確認してみると良いですね。ついついたくさん買いたくなりますが、短い期間で飲みきれる量を小まめに購入した方がベストです!

豆は短い期間で飲みきれる量を小まめに購入
長谷川

深澤さんにとって、コーヒーを自分で淹れる魅力ってどこにあると思いますか?

深澤さん

自由度が高いことですね。その時々の自分の好みや食べ物などに合わせて、「もう少しこうだったらいいな」を調整して楽しめますから。それから、私にとってコーヒーを淹れる時間はリラックスタイムでもあります。良い香りに包まれながらコーヒーを淹れることに集中すると雑念がなくなり、落ち着いた精神でいられるんです。

長谷川

最近は自宅で過ごす時間が増えている人も多いので、ストレス発散にはもってこいかもしれませんね。クレームブリュレを手作りしたり、コーヒーをゆっくり落とす時間を作ってみたり。基本の淹れ方のコツをつかんだら、豆の選び方もこだわりたくなってきますね!

クレームブリュレとのペアリングを楽しむ
深澤さん

豆の種類や焙煎方法の違いによっても、コーヒーには無限の楽しみ方があります。次回は自分好みの豆の見つけ方や、クレームブリュレとのベストペアリングを探してみましょう!

長谷川

よろしくお願いします!

おいしいコーヒーだけでなく、クレームブリュレも手づくりでこだわりたいという方に、現役パティシエさんによる本格クレームブリュレのレシピ動画もありますので、こちらも併せてご覧ください。

パティシエが教えてくれるクレームブリュレづくり
この記事の取材にご協力いただいたお店
THERELAY

THE RELAY

北海道札幌市中央区北4条西17丁目1-11 吉田ビル3階
11:00〜17:00(L.O.16:30)
営業日:火・金・土・日(営業日はインスタグラムをご確認下さい)https://www.instagram.com/_relay_coffee_sapporo/

店内に入ると、コーヒーの「カウンセリング」がスタート。問診票の回答をもとにバリスタさんがオススメをアドバイスしてくれます。カウンセリング内容や試したコーヒーはデータとして蓄積され、通えば通うほど自分と相性の良いコーヒーが導き出される…というユニークな試みです。

コーヒーカウンセリング

店頭で味わえるのは、全国各地(札幌市以外の道内・道外)のロースターがTHE RELAYのために選んだコーヒーたち。月替わりで2店舗、それぞれ3種のコーヒーが楽しめます。もちろん、豆の購入もOK。

豆も購入可能

また、コーヒーのある生活を提案する情報サイト「COFFEE OTAKU(コーヒーオタク)」では、深澤さんもライターとして執筆しています。コーヒーについてもっと知りたい方は、こちらもご覧ください。

COFFEE OTAKU
https://coffee-otaku.com/

ABOUT US

長谷川 みちる
Editor’s office Bluebird 代表/酪農ライター・編集者・プランナー。紙・webメディアの立ち上げから企画・運営・取材・編集、イベントや映像制作の企画・運営など幅広く手掛ける。得意とするフィールドは農業・漁業(特に酪農)などの一次産業、まちづくりなど。ブリュレマニアでのポジションは、おいしいものが生まれる場所まで足を運ぶ「産地追求派マニア」。